サックスの持ち方・構え方:プロも試行錯誤!あなただけの「ベストポジション」を見つける道しるべ|MUSIC HACK
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サックスの持ち方・構え方:プロも試行錯誤!あなただけの「ベストポジション」を見つける道しるべ

この記事は、これからサックスを始める方に向けて、サックスの基本的な持ち方と構え方について解説します。
「サックスを購入したけれど、何から始めればいいか分からない!」という方はぜひ、ご一読ください。

サックスの持ち方

まずはサックスを構える前に、サックスの持ち方についてお伝えします。

サックスはなるべく両手で持つ


サックスは複雑にキーが配置されていますから、不用意に持ってしまうとキーが曲がってしまう可能性があります
ですから、サックスはなるべく両手でも持ちます。

サックスの持ち方の原則は、キーに負担がかからないようにするということです。

ケースから楽器を持ち上げる時や一旦床に置く時など、以下の3つの持ち方を使って楽器に優しい扱いができるようになりましょう。

サックスを片手で持つ方法1 ベルを持つ

しかし、ストラップのフックに引っ掛ける時や片手で楽譜をめくりたい時など、片手で持ちたい場面は多いものです。

片手で持つ第一候補としては、ベルを持つ、です。
ベルは”朝顔管”とも呼ばれます。

ただし、ベルを持つ際に注意したいことがあります。

楽器の端を持つことになるので、サックスの自重で、管が曲げられた部分(U字管)や、金属のつなぎ目にどうしても負担がかかります。「ベルを持ってはいけない」と教わった方もいるかと思いますが、このような構造上の理由があります。

もし、ベルを持つ場合は短い時間にしておきましょう。

また、管の長さが長くなるほど負担のかかる持ち方といえますので、テナーやバリトンは、ベルだけで楽器を持つのは避けたほうがいいでしょう。

サックスを片手で持つ方法2 真ん中あたりを掴む


第二の候補は、楽器の真ん中あたりを掴む、です。

まずは、吹き口を左手に自分からみて向こう側にベルを置きます。そして楽器の真ん中あたり、細い管が密集している部分を手全体で持ちます。(地面に置いてあるテニスラケットを掴むイメージです)親指はフックかけの真下にきます。

 

サックスを片手で持つ方法3 吹く時の配置で持つ

第三の候補は、実際に吹くような手の恰好で持つ、です。

手の恰好はほとんどリコーダーと変わりません。
左の親指は胸の前にある500円玉より一回り大きい黒い(黒ではない場合もあります)パーツに置きます。

右手の親指は楽器の下部、ちょうどストラップをかけるフックの真下ののけ反ったパーツに、下から掛けます。

他の指にもそれぞれポジションがありますので後述します。

サックスの構え方

それではフックをかけて、サックスを構えてみましょう。
基本的な構え方をお伝えします。

サックスを構える手順1 左手を本体上のサムレストに乗せる

まず左手の親指をサムレスト(黒い丸いパーツ)に乗せます。
(サムレストが黒でない楽器もあります)

この乗せた左の親指でオクターブキーというキーを操作しますが、サムレストを台にして第一関節を曲げるだけでオクターブキーを押せる場所に乗せます。

サックスを構える手順1 右手を本体下のサムフックに引っ掛ける

そして右手の親指はサムフックに引っ掛けます。
サムフックは、ストラップをかけたフックの下にある、反ったパーツです。
右手の親指を下から引っ掛けるようにします。
※サムフックの素材は金属やプラスチックなどいろんな種類があります

右手の親指はあくまで支えの役割です。
親指でサックスを持ち上げたり、楽器の全体重をかけたりしてはいけません。
腱鞘炎などのけがにつながりますので注意しましょう。

サックスは3点で支える

さて、この両手の親指と口の3点でほとんど楽器を支えられるようになりました。
試しに身体や楽器を振ってみてください。支えられていることが実感できると思います。

ストラップの長さを調整する

それではいよいよサックスを吹く構えに入りたいところですが、良いポジションでサックスを吹くためにはもう一つ大事な調整があります。
ストラップの長さです。

よく言われる調整の目安として、
ストラップは”普通にまっすぐ立って、マウスピースが勝手に口に入ってくる長さ”に調整するという方法があります。
ストラップが長すぎる場合は、首を前に出して迎えに行く格好になってしまいますので、迎えにいくことなくマウスピースが口に入るように調整します。

しかし、この方法を真に受すぎてしまうと、次第に窮屈さを覚えることになるでしょう。
というのも、サックスの奏法をいろいろ身につけていくと、顎の位置を変えたい!首を動かしたい!という場面が現れます。その時に、”マウスピースが勝手に口に入ってくる”を目安にしたストラップの長さでは、首が固定されてしまい、顎や首を動かせなくなってしまいます。そういった時に窮屈さを感じるでしょう。

分かりやすい例としてサブトーンという奏法があります。ジャズでよく使われる奏法のひとつです。
サブトーンの吹き方を簡単に説明すると、顎を手前に引く、または下唇をなるべくリードの手前にもってきて鳴る面積を少なくする、です。
実際にトライすると実感すると思いますが、サブトーンをしようと顎を引きたいと思っても、さきほどの”マウスピースが勝手に口に入ってくる長さ”ではどう頑張っても出来ません。ストラップがピンっと張ってしまって動く余地がない状態です。
結論としては、少し頷ける余裕がある長さにストラップを調整します。

このようにサックスの技法を習得するにあたって、ストラップの調整はかなり大事なポイントになります。
まずは”ストラップの長さは固定ではない”と知っていただくことが重要です。
始めにココ!っと決めて動かさないよりも、技術の習得に合わせて柔軟に対応していくものと覚えておいてください。

余談ですが、これからサックスをたくさん練習してどんどん上達していくと、ストラップの長さや姿勢はかなり変化していきます。今回のストラップの長さに限らず、基本の形からどんどん自分に適した形へ変化していくものは数多くありますので、都度自分に合っているか、奏法や目的にフィットしているか見直しながら試行錯誤していきましょう。

指のポジションと基本姿勢

それではストラップの長さが決まったとします。次に指のポジションを確認しましょう。
まずは左手の人差し指/中指/薬指です

一点、注意してください。人差し指は一番上の白いボタン、と認識するとポジションを間違えてしまう可能性があります。古いモデルのサックスの場合、白のボタンが一つ多い設計になっているかもしれません。その場合、ひとつポジションがずれてしまうことになります。人差し指のポジションは、「一番上」より「小さな白いボタンの一つ上」と認識したほうが良さそうです。
つぎに中指(左)は小さな白いボタンを飛ばした次のボタン。
薬指(左)は中指の下の白いボタン。
これが左手の基本ポジションです。

小指は特定のポジションには位置していませんが、テーブルキーと呼ばれる特殊な形をしているキーを操作します。

慣れないうちは思うように動かない指ですが、鍛えて徐々に動かせるようにしていきましょう。

では右手のポジションをみていきましょう。右手は左手よりシンプルです。

人差し指/中指/小指は白いボタンを上から一つずつ押さえます。

右手の小指も重いキーを操作します。この蝶番のような隣り合ったボタンです。

小指は常にキーに置いておく必要はありませんし、浮かせておかなければいけないわけでもありません。自由に動かせる、楽な状態にしておきましょう。
以上がサックスの基本ポジションです。

楽器の構えの基本姿勢についても、少し触れます。
基本姿勢についてサックスを少し前に出して吹く、身体につけずに吹くなど、聞いたことがあるでしょうか?
端的に申しますとサックスの基本姿勢は「楽な状態を保つ」です。
楽器を身体にくっつけてもいいですし、離しても問題ありません。
もし身体につけた方が吹きやすいなと選択しても、常に楽器が身体に触れているわけではありません。パフォーマンスのひとつとしてライブで持ち上げて吹くこともあります。

なお座って吹く場合(座奏)は、前にまっすぐ構えてもいいですし、横に構えても大丈夫です。例えばビックバンドなどでサックス奏者が横に構えているのを見たことがあるでしょうか?

これも一つの基本姿勢です。

これはサックスの構造の話ですが、現代のサックスは、楽器を構えた時に左手と右手が延長線上に配置されていません。真っすぐボタンが配置されていないため、右手側が若干、身体寄りに作られています。サックスを横に構えるスタンスを選びたい場合は、現代の楽器が扱いやすいでしょう。
比べて昔のサックスは、ボタン(キー)が真っすぐ配置されています。そのため前に真っすぐ構えやすい構造と言えます。

テナーサックス

ここまでアルトサックスで説明してきましたが、最後にテナーサックスの基本姿勢をお伝えします。
基本はほとんど変わりません。楽器の構え方、とりわけ楽器を身体につけるかどうかという点で多少違いがあります。
テナーサックスの場合は、楽器を身体につけた方が吹きやすくなります。

もちろん身体から離してはいけないわけではありませんが、アルトサックスよりもテナーサックスは管が長く重い楽器です。
親指や付け根の関節に負担がかかるため、身体につけて右手の負担を軽減するのが良いでしょう。このスタイルは多くのプレイヤーが採用しています。

サックスの基本姿勢もストラップの調整のように、続けていく上でどんどん変化していくものです。“やりにくいな”と思ったらどんどん変化させながら、調節しながら練習に取り組みましょう。

今回はサックスの基本的な構え方についてお伝えしました。
次回の記事もお楽しみに。

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