サックスの超初心者でもわかりやすい、リードについてご説明します!
サックスのリードって何?
サックスのリードは、マウスピースの平らな面にセットする、薄い板のようなパーツです。ほとんどは植物の葦(アシ)から作られていますが、最近ではプラスチックなどの合成樹脂製のものも増えています。
葦リード
樹脂リード
リードの役割と部位の名称
リードは、息を吹き込んだときに細かく振動することで音を出す、サックスにとってとても重要なパーツです。リードが振動しなければ、音を出すことはできません。
リードには、それぞれ名前が付いている部分があります。
- ティップ(先端):一番薄い部分。振動を生み出す心臓部なので、とてもデリケートです。
- ヴァンプ:ティップからだんだん厚みが増していく、斜めの部分です。
- ハート:ヴァンプの中で一番厚い部分で、音色や響きに大きく影響します。
- ヒール:リードの一番厚い部分で、マウスピースに固定されます。

リードの材質とばらつき
葦から作られるリードは「ケーン」とも呼ばれ、特定の地域で栽培されたものが良質とされています。自然の素材なので、どうしても1枚1枚にばらつきがあり、中には残念ながら吹きにくいリードも出てきてしまいます。
一方、プラスチックなどの「樹脂リード」は、天然素材に比べて水に強く、個体差が少ないのが特徴です。湿気や気温の変化に強く、安定した演奏を求めている人によく使われています。
リードの番手(硬さ)と選び方
リードには硬さを示す番号(番手)が付いていて、番号が小さいほど柔らかく、大きいほど硬くなります。
番手はあくまで「硬さ」を示すもので、「厚さ」とは少し違います。実は、リードは標準的な硬さである「3」を基準に作られていて、それ以外の番手は製造工程で偶然できた硬さのばらつきによって分けられています。
一般的な番手と硬さの目安
- 2:とても柔らかい
- 2.5:柔らかい
- 3:標準的な硬さ
- 3.5:硬い
- 4:とても硬い
ちなみに、1や5といった極端な硬さのリードは、ほとんど出回っていません。
メーカーによっては、S(Soft)、M(Medium)、H(Hard)のようなアルファベットで硬さを表すこともあります。
柔らかいリード(番号が小さい、Sなど)は、少ない息で鳴らしやすく、初心者でも扱いやすいです。一方で、硬いリード(番号が大きい、Hなど)は、パワフルで安定した音が出しやすく、クラシックや吹奏楽の奏者によく使われます。
どの番手を選べばいいか迷ったら、講師に相談してみましょう。
リードのデザインとカット方法
リードの形は、先端に向かって徐々に薄くなっています。この薄さの設計が、音色や吹き心地に大きく影響します。例えば、先端が薄く削られていると音の立ち上がりが速く、厚く削られていると豊かな音色が出やすい傾向があります。
ファイルドカットとアンファイルドカット
リードのカット方法には、「ファイルドカット」と「アンファイルドカット」の2種類があります。これは、リードのヴァンプの根元の加工方法による違いです。
- アンファイルドカット:ヴァンプの根元がV字型になっていて、削った跡がありません。豊かで、ダークな音色になりやすい傾向があります。
- ファイルドカット:ヴァンプの根元に水平なライン(削った跡)があります。明るく、はっきりした音色になりやすいです。
写真:上がアンファイルドカット、下がファイルドカット
どちらのカットを選ぶかは、好みの音色や演奏するジャンルによって決めるのが一般的です。色々なデザインを試したい場合は、講師に相談してみるのがおすすめです。
リードの取り付け方と注意点
リードは、マウスピースにリガチャーという締め具を使って固定します。
- まず、マウスピースをネックコルクに差し込みましょう。ネックコルクがきつい場合、先にリードを付けてしまうとリードがずれたり、壊れたりすることがあります。
- リードをマウスピースの平らな部分に乗せ、先端とマウスピースの先端のラインを合わせます。
- リガチャーをリードの上からかぶせ、リードがずれないように注意しながらネジを締めて固定します。
このとき、特にリードのハートの部分を強く押し付けると、リードがわずかに曲がり、吹き心地や音色が変わってしまうことがあるので気をつけましょう。
取り付け方が分からなかったら、直接講師に見てもらうと良いでしょう。
リードの扱い方と保管方法
リードの扱い方
- 衝撃に弱い:リードの先端はとても繊細です。少しぶつけたり、服に擦れたりするだけでも欠けたり割れたりすることがあるので、扱いには十分注意してください。
- 乾燥に弱い:葦のリードは、水分を吸って膨らみ、乾燥すると縮みます。演奏前に十分に湿らせると、本来の性能を発揮します。もし乾いて先端が波打ってしまったら、リードの先を水に浸けて湿らせてから使いましょう。
- 演奏後の手入れ:演奏後は、リードに付いた水分を拭き取ります。できれば軽く水洗いをするのがおすすめです。
日々の扱い方で困ったことがあれば、講師に相談してみましょう。
リードの保管方法
リードは、リードケースに入れて保管するのが一般的です。ケースに入れることで、リードが平らな状態に保たれ、反りやゆがみを防げます。乾燥させてからしまう人、湿ったままケースにしまって乾燥させる人など、手入れの方法は様々です。ただし、通気性の悪いケースに湿ったまましまうとカビが生えることがあるので注意してください。
リードの買い方と替え時
リードは、楽器店やオンラインストアで購入できます。メーカーや番手が豊富なので、店員さんに相談したり、試奏させてもらったりして、自分に合ったものを見つけましょう。
葦リードは、一般的にアルトサックスやソプラノサックス用は10枚入り、テナーサックスやバリトンサックス用は5枚入りの物が多いです。もっとたくさん入っている大容量のものもありますので、購入前に枚数を確認しましょう。
何を買えばいいか迷ったら
何を買えばいいか分からないときは、定番の「Ricoのオレンジ箱」がおすすめです。
- マウスピースの開きが広めのジャズ・ポップスタイプの場合は2番
- 楽器に付属のマウスピースの場合は2.5番
価格: 約3,500円
世界中で愛される最もポピュラーなリード
演奏のしやすさを重点に置き、アンファイルドカットによるパワフルな音色が特徴
硬さ:2.0 / 10枚入り
価格: 約4,200円
世界中で愛される最もポピュラーなリード
演奏のしやすさを重点に置き、アンファイルドカットによるパワフルな音色が特徴
硬さ:2.0 / 10枚入り
価格: 約3,500円
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価格: 約4,500円
世界中で愛される最もポピュラーなリード
演奏のしやすさを重点に置き、アンファイルドカットによるパワフルな音色が特徴
硬さ:2.0 / 10枚入り
クラシックや吹奏楽の場合はヴァンドーレンのトラディショナル(通称青箱)2-1/2
価格: 約5,000円
【青箱】の愛称で世界中に多くのファンを持つバンドーレンリードの代表作。長年にわたって高い評価を得ている一番幅広く使われているリードで、どんなスタイルの音楽にも合います。
価格: 約3,500円
【青箱】の愛称で世界中に多くのファンを持つバンドーレンリードの代表作。長年にわたって高い評価を得ている一番幅広く使われているリードで、どんなスタイルの音楽にも合います。
購入に際してアドバイスが欲しい場合は、ぜひ講師に相談しましょう。
リードの替え時
以下のような兆候が見られたら、新しいリードに交換するタイミングです。
- 音がかすれる:以前より音がかすれたり、反応が悪くなったと感じる。
- 欠けたり割れたりする:リードの先端や側面が欠けて、音が出なくなったり、音が不安定になったりする。
- 鳴りが悪い:いくら調整しても思うように音が出ない。
- 新しいリードと比べてみる:試しに新しいリードを吹いてみて、今までのリードが明らかに吹きにくいと感じる。
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