「マウスピースって何?」の初心者にも丁寧に解説!サックスのマウスピースはサックスの音色や吹き心地を大きく左右する、非常に重要なパーツです。この記事では、マウスピースの基本的な知識から選び方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
サックスのマウスピースとはどれか?
まず、マウスピースがサックスのどの部分にあたるのかを理解しましょう。サックスは、主に以下の3つのパーツで構成されています。
- マウスピース: 息を吹き込む「吹き口」の部分です。リードを取り付けて使います。
- ネック: マウスピースとサックス本体を繋ぐ、カーブしたパイプの部分です。
- 本体(ボディ): キーやベルがある、サックスの大部分を占める部分です。
マウスピースは、サックスの最も先端にある、演奏者が口にくわえる部分だと覚えておきましょう。
サックスのマウスピースとは?
マウスピースは、サックスの音を出すために欠かせないパーツです。リードをマウスピースに固定し、そこに息を吹き込むことで、リードが振動して音の元が生まれます。
リードが音の源(声帯)だとすれば、マウスピースはその振動を受け止め、響きを増幅・形成する役割を担っています。マウスピースは、音色の方向性や吹き心地を大きく左右するため、自分にとって最適なものを見つけることが重要です。
サックスのマウスピースの各部名称と見た目の特徴
マウスピースは単なる吹き口ではなく、それぞれの部分が音に重要な影響を与える、精密な構造を持っています。ここでは、各部分の見た目の特徴にも注目して解説します。
- ティップ(Tip)
マウスピースの先端、リードと最も近い部分です。見た目はマウスピースの一番尖っている部分だとイメージしてください。 - フェイシング(Facing)
ティップからテーブルにかけての緩やかなカーブ部分です。マウスピースを横から見たときに、リードとマウスピースの間にできる隙間がこの部分です。 - テーブル(Table)
リードがぴったりとくっつく、平らな面です。マウスピースからリードを外したときに、リードを乗せる平らな板状の部分がこれにあたります。 - チェンバー(Chamber)
マウスピース内部にある空洞部分です。マウスピースのシャンク側(ネックに差し込む側)から中をのぞいたときに、奥に見える空洞がこれです。 - シャンク(Shank)
マウスピースをサックスのネックに差し込む部分です。マウスピースの最も太い円筒状の部分だと考えてください。
サックスのマウスピースの素材と種類
マウスピースの素材は、音色に影響を与える重要な要素の一つですが、最も重要なのは、後述するマウスピースの「形状」であることを理解しておきましょう。素材は、そのマウスピースが持つ音色の傾向を決定づける「土台」のようなものです。
- エボナイト(ハードラバー)
多くのサックス奏者に愛用されている素材です。見た目は真っ黒でつやがあり、プラスチックのような質感です。温かく、柔らかい音色が特徴で、様々なジャンルに対応できる汎用性の高さから、まずこの素材から試すのがおすすめです。 - メタル(金属)
真鍮などの金属で作られたマウスピースです。見た目は金色や銀色に輝く金属製で、重厚感があります。金属は音の伝達が速いという特性を持つため、音の輪郭がはっきりとする傾向があります。 - 独自の合成樹脂素材(ABS樹脂)
Syos(サイオス)に代表される、近年登場した新しい素材です。3Dプリンターで成形されるため、見た目はカラフルで個性的なものが多く、プラスチックのような質感です。一人一人の奏者に合わせてマウスピースを設計できるのが大きな特徴で、ユニークな形状や音色を持つモデルが多数存在します。 - プラスチック
初心者用のサックスに付属していることが多く、非常に安価で手軽な素材です。見た目は黒いものが多く、エボナイト製とよく似た質感です。まずはこのマウスピースで基本的な吹き方を練習し、慣れてきたらエボナイトなどにステップアップするのが一般的です。
サックスのマウスピースの選び方:形状が最も重要!
マウスピースを選ぶ際に最も重要なのが、マウスピースの形状です。特に「ティップ・オープニング」と「チェンバー」は、吹きやすさと音色を大きく左右します。
ティップ・オープニング(開き具合)
マウスピースの先端の、リードとマウスピースの隙間を指します。
- 狭い: 少ない息で楽に音が出せるため、初心者でもコントロールが容易です。
- 広い: 多くの息が必要になりますが、その分、音量や音色の表現力が豊かになります。
チェンバー(内部の空間)
マウスピースの内部の空洞の広さです。
- 広いチェンバー: 豊かな倍音と奥行きのある音色を生み出します。
- 狭いチェンバー: 明るく、輪郭のはっきりした音色になります。
初心者の方は、まずは吹きやすいと感じる、ティップ・オープニングが中間程度のマウスピースから試してみるのが良いでしょう。楽器に付属されているマウスピース(YAMAHA 4Cなど)の多くは中間程度(やや狭め)で吹きやすく設計されています。素材も大切ですが、まずはこの形状を重視して選んでみてください。
サックスのマウスピースの「番手」について
サックスのマウスピースに刻まれている「番手」や「モデル名」は、メーカーごとに異なる独自の表記です。これらは主にティップ・オープニングの広さを示しています。
- セルマー社: S80 C* など、アルファベットと記号で表されます。C*は比較的狭く、D、Eと進むにつれて開きが広くなります。
- オットー・リンク社: 5、6、7などの数字で表されます。数字が大きいほど開きが広くなります。
同じ「7番」でも、メーカーが違えば開き具合やチェンバーの形状が異なります。一概に比較はできないため、実際に吹いてみることが最も重要です。
また、あくまでも目安ですが、インターネット上に比較表が掲載されている場合もあるので「サックス マウスピース オープニング 比較」などで検索してみましょう。
サックスのマウスピースとリードの相性
マウスピースの性能を最大限に引き出すには、リードとの組み合わせが非常に重要です。
- ティップ・オープニングが広いマウスピースには、一般的に柔らかめのリード(番手が低い)が合います。
- ティップ・オープニングが狭いマウスピースには、硬めのリード(番手が高い)が合います。
この組み合わせはあくまで基本的な傾向であり、奏者の好みや吹き方によって最適なセッティングは異なります。色々な組み合わせを試して、自分にとって最も吹きやすく、理想の音色が出せる相性を見つけることが大切です。
サックスのマウスピースのアクセサリー
マウスピースには、演奏や保管を助ける重要なアクセサリーがいくつかあります。ここでは、キャップとパッチの役割について解説します。
サックスのマウスピースキャップの役割
マウスピースキャップは、マウスピースのリードと先端部分を保護するためや、リードの急な乾燥を防ぐ重要なアクセサリーです。演奏を終えたら必ずキャップを装着しましょう。
- リードの保護: リードは非常にデリケートなため、キャップをせずに放置すると、わずかな衝撃で割れたり欠けたりする可能性があります。キャップを装着することで、リードを乾燥や衝撃から守ることができます。
- 先端の保護: マウスピースの先端(ティップ)は音色に最も影響を与える部分です。ここが欠けてしまうと、吹き心地や音程が大きく変わってしまいます。キャップは、楽器の持ち運びや保管中にも、この重要な部分を保護する役割を果たします。
マウスピースパッチの役割
マウスピースパッチは、マウスピースに直接歯が当たるのを防ぐために、上部に貼り付ける小さなシールです。
- 歯とマウスピースの保護: 演奏中に歯がマウスピースに直接当たると、マウスピースの表面に歯形がついて傷ついたり、逆に歯に負担がかかったりします。パッチを貼ることで、これらの問題を解決し、楽器と奏者の両方を保護できます。
- 安定した吹奏感: 歯が滑るのを防ぎ、より安定した状態でマウスピースをくわえることができます。
パッチには様々な厚さや素材があり、好みの噛み心地や音色に合わせて選ぶことができます。
マウスピース選びは、サックスの音色を大きく変える重要なステップです。色々なマウスピースを試して、ご自身の理想のサウンドを追求してみてください。
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