サックス講師が選ぶジャズ・ポップスの有名ソプラノサックス奏者 16選|MUSIC HACK
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サックス講師が選ぶジャズ・ポップスの有名ソプラノサックス奏者 16選

ソプラノサックスは素晴らしい楽器です!
しかし、いざソプラノサックス奏者を探そうと思っても意外と情報が少なく見つかりにくいものです。

この記事ではソプラノサックスがメインの奏者と、マルチ奏者でありソプラノサックスでの演奏も素晴らしい演奏家を計16名紹介します!
ぜひ、自分の好みにぴったりな奏者を見つけてくださいね♪

ソプラノにはストレートとカーブドがあることにも注目しましょう!

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草創期のパイオニアたち:ジャズ黎明期のソプラノ開拓者

ソプラノサックスがジャズの主要楽器として認知され始めた黎明期に、その可能性を切り開き、楽器の個性を確立した偉大な先駆者たちです。

Sidney Bechet (シドニー・ベシェ)

ジャズの歴史において、ソプラノサックスを初めて主要なソロ楽器として確立した真のパイオニアです。クラリネットも巧みに演奏しましたが、特にソプラノサックスでの彼の演奏は、他の追随を許さないほど力強く、感情豊かなヴィブラートと圧倒的な歌心が特徴でした。
代表曲「Summertime (サマータイム)」での情熱的なソロは、聴く者の心を深く揺さぶります。その革新的なスタイルと、楽器からあふれ出す人間味は、後の世代の多くのジャズミュージシャン、特にジョン・コルトレーンにも多大な影響を与え、まさにジャズの魂そのものを表現した巨匠です。

Johnny Hodges (ジョニー・ホッジス)

デューク・エリントン楽団で長年にわたりリード・アルトサックス奏者として活躍し、「エリントン・サウンド」の重要な一部を担った巨匠です。メイン楽器はアルトサックスですが、ソプラノサックスも演奏しました。シドニー・ベシェから直接指導を受けたと言われ、その影響は彼のアルトサックス同様、ソプラノでの演奏にも見られる、豊かで艶やかなヴィブラートと、ブルースフィーリングに満ちた歌心に表れています。ソプラノサックスでの録音はアルトほど多くありませんが、アルバム『Triple Play (トリプル・プレイ)』などで聴ける彼のソプラノは、アルトとはまた異なる、温かく流麗な魅力を放っています。

Bob Wilber (ボブ・ウィルバー)

クラリネットとソプラノサックスをメインに演奏しました。彼はシドニー・ベシェの直弟子として、その音楽スタイルを深く研究し、その伝統を現代に伝えることに尽力した重要な奏者です。ベシェの力強いヴィブラートやアーリージャズのスイング感を深く研究し、自身の演奏に昇華させました。ベシェの音楽的遺産を忠実に守りながらも、自身の創造性を加え、ジャズの黄金時代のサウンドを現代に伝えることに尽力しました。特にベシェのレパートリーを演奏したアルバムは数多く、その真摯なアプローチと、時代を超えた魅力を持つソプラノの音色は、多くのトラディショナルジャズファンに愛されています。


スイングとクール、そしてバップの彩り:多様なスタイルへの適応

スイング時代からモダンジャズへの移行期において、それぞれのスタイルの中でソプラノサックスに新たな息吹を吹き込んだ奏者たちです。

Zoot Sims (ズート・シムズ)

テナーサックスの巨匠であり、「レスタリアン」(テナーサックス奏者レスター・ヤングの影響を強く受けたジャズミュージシャンたち)の一人としてクールジャズを代表する存在です。メイン楽器はテナーサックスですが、キャリア後期にはソプラノサックスも積極的に演奏し、その魅力的なアルバムを残しています。特に1976年のリーダーアルバム『Soprano Sax (ソプラノ・サックス)』は、彼のソプラノ演奏の真価を伝える一枚として高く評価されています。テナーサックスで培われた、リラックスしていながらも歌心に満ちたメロディアスなフレージングは、ソプラノサックスでも存分に発揮され、その温かく心地よい音色は多くのジャズファンを魅了しました。

Lucky Thompson (ラッキー・トンプソン)

主にテナーサックス奏者として、バップやハードバップの時代に活躍しましたが、ジョン・コルトレーンがソプラノサックスの可能性を大きく広げる以前から、この楽器を積極的に使用していた先駆者の一人として特筆されます。彼のソプラノの音色は、コルトレーンのそれとは異なり、より抑制された美しさと深い叙情性を持ち合わせていました。メロディアスでありながらも知的なフレージングが特徴で、アルバム『Lucky Strikes! (ラッキー・ストライクス!)』やフランスで録音された作品などで、彼のユニークなソプラノ演奏を聴くことができます。ジャズ史におけるソプラノサックスの発展に重要な足跡を残しました。


モダンジャズの革新者たち:ソプラノの可能性を拡張

ジョン・コルトレーンによってソプラノサックスが再評価されて以降、その楽器の表現力を飛躍的に高め、現代ジャズに大きな影響を与えた革新者たちです。また、その後のフュージョンやコンテンポラリージャズへと繋がる多様なサウンドを開拓した奏者も含みます。

John Coltrane (ジョン・コルトレーン)

ジャズ史にその名を刻むテナーサックスの巨匠ですが、1960年代初頭にソプラノサックスを導入したことは、ジャズの歴史に大きな転換点をもたらしました。ソプラノサックスをメインに据えたアルバム『My Favorite Things (マイ・フェイヴァリット・シングス)』での演奏は、その後のジャズ界、特にソプラノサックスの演奏スタイルに計り知れない影響を与えました。彼のソプラノは、テナーとはまた異なる、鋭くも情感豊かな音色で、モードジャズにおける独自のフレージングを確立。スピリチュアルな表現と高度な技術を兼ね備え、現代ソプラノサックスの演奏法の礎を築いた、まさに革命的な存在です。

Wayne Shorter (ウェイン・ショーター)

ジャズ界を代表する作曲家であり、テナーサックス奏者としても知られますが、マイルス・デイヴィス・クインテット後期や、特にフュージョンバンド、ウェザー・リポート (Weather Report) 加入以降はソプラノサックスをメイン楽器として使用し、そのサウンドは彼の代名詞となりました。彼のソプラノは、メロディアスでありながらも予測不能な展開を見せる独特のスタイルを持ち、フュージョンやコンテンポラリージャズの発展に大きな影響を与えました。アルバム『Native Dancer (ネイティヴ・ダンサー)』などでの、叙情的かつ挑戦的なソプラノ演奏は、多くのミュージシャンにインスピレーションを与え続けています。

Steve Lacy (スティーヴ・レイシー)

生涯を通じてソプラノサックスをメイン楽器として演奏し続けた、ジャズ界でも稀有な存在です。フリージャズやインプロヴィゼーションの分野で独自の道を切り開き、ソプラノサックスの持つ表現の可能性を深く掘り下げました。彼のソプラノは、鋭さと同時に禅的な静けさを持ち合わせ、一音一音に深い意味が込められた、聴き手の内面に訴えかける音楽性が特徴です。セロニアス・モンク (Thelonious Monk) の楽曲を深く探求したことでも知られ、アルバム『Soprano Sax (ソプラノ・サックス)』や『Reflections (リフレクションズ)』など、ソプラノサックスの名盤を数多く残しています。

Dave Liebman (デイヴ・リーブマン)

ソプラノサックスをメイン楽器としつつ、テナーサックスも主要な楽器として演奏する、ジョン・コルトレーン以降の現代ジャズにおいて最も影響力のあるサックス奏者の一人です。マイルス・デイヴィス (Miles Davis) やエルヴィン・ジョーンズ (Elvin Jones) のグループで活動し、その探求的でダイナミックな演奏スタイルを確立しました。彼のソプラノは、高度な技術と深い音楽理論に裏打ちされ、フリーインプロヴィゼーションから伝統的なジャズまで、幅広いスタイルで独自の表現を追求しています。教育者としても精力的に活動し、多くの後続の奏者に影響を与えています。

Jan Garbarek (ヤン・ガルバレク)

ノルウェー出身で、ドイツのECMレーベルを代表するソプラノサックス奏者です。テナーサックスも演奏しますが、彼の代名詞とも言えるのは、ソプラノサックスでの透明感と奥行きのある独特のサウンドです。北欧の自然やフォーク音楽にインスパイアされた、瞑想的で叙情的な演奏スタイルは、ジャズの枠を超えてクラシックや民族音楽の要素も取り入れ、唯一無二の世界を築きました。アルバム『Afric Pepperbird (アフリック・ペッパーバード)』や『Paths, Prints (パス・プリンツ)』など、数多くの名盤を残し、その美しい音色は世界中で高く評価されています。

Joe Farrell (ジョー・ファレル)

テナーサックスやフルートも巧みに演奏するマルチリード奏者ですが、ソプラノサックスでの演奏も非常に高く評価されています。特に1970年代には、チック・コリア率いるフュージョンバンド「リターン・トゥ・フォーエヴァー (Return to Forever)」のオリジナルメンバーとして、バンドの初期サウンドを確立する上で不可欠な役割を担いました。彼のフルートとソプラノサックスは、チック・コリアのフェンダー・ローズ・ピアノと融合し、デビュー作『Return to Forever (リターン・トゥ・フォーエヴァー)』や『Light as a Feather (ライト・アズ・ア・フェザー)』において、リリカルでラテン・フレーバーの強い革新的なフュージョン・サウンドを生み出しました。また、ザ・クルセイダーズ (The Crusaders) やチコ・ハミルトン (Chico Hamilton) のグループでも活動し、そのスムーズかつ力強いサウンドは、アルバム『Canned Funk (キャン・ド・ファンク)』や『Penny Arcade (ペニー・アーケード)』などで聴くことができます。


スムースジャズの牽引者たち:大衆に愛されたソプラノの音色

1970年代以降、よりポップでメロディアスなアプローチで、ソプラノサックスの魅力を幅広い層に広めたスムースジャズの旗手たちです。

Grover Washington, Jr. (グローヴァー・ワシントン・ジュニア)

スムースジャズ/フュージョンを代表するサックス奏者で、ソプラノ、アルト、テナーサックスの全てを巧みに操りました。ソプラノサックスも彼の主要な楽器の一つであり、その流麗で歌心のあるメロディックな演奏は、幅広い層に受け入れられ、このジャンルの人気を確立しました。ボーカリストのビル・ウィザース (Bill Withers) をフィーチャーした代表曲「Just the Two of Us (ジャスト・ザ・トゥ・オブ・アス)では主にアルトサックスとテナーサックスを演奏しています。グラミー賞を受賞したアルバム『Winelight (ワインライト)』では、タイトルトラックなどでソプラノサックスも効果的にフィーチャーされており、彼の多様なサックスプレイとその音色はスムースジャズの代名詞の一つとなっています。

Kirk Whalum (カーク・ウェイラム)

R&Bやスムースジャズの分野で絶大な人気を誇るサックス奏者で、メインはテナーサックスですが、ソプラノサックスも彼の主要な楽器の一つです。その歌心のあるソウルフルな演奏は、多くの人気R&Bアーティストのレコーディングやツアーに参加し、特にホイットニー・ヒューストン (Whitney Houston) のバックバンドでの活躍は広く知られるようになりました。彼のソプラノは、甘く温かい音色が特徴で、メロディックでありながらもグルーヴ感を重視した演奏で、多くのリスナーを魅了し続けています。ソロアルバムも多数リリースしており、グラミー賞も受賞しています。

Kenny G (ケニー・G)

スムースジャズ/ポップ・ジャズの分野において、ソプラノサックスをメイン楽器として演奏し、世界中で爆発的なヒットを記録した稀代のスタープレイヤーです。その流麗でキャッチーなメロディと、独特のブレスコントロールによるロングトーンは、ソプラノサックスの魅力をジャズファン以外にも広く知らしめ、楽器の普及に大きく貢献しました。アルバム『Duotones (デュオトーンズ)』や、大ヒット曲「Forever in Love (フォーエヴァー・イン・ラブ)」など、数多くのプラチナム・レコードを生み出し、スムースジャズの代名詞となりました。

Dave Koz (デイヴ・コーズ)

スムースジャズ界を代表するソプラノサックス奏者の一人で、アルトサックスもメインで演奏します。彼の演奏は、親しみやすくポップなメロディと洗練されたサウンドが特徴で、リスナーを心地よいグルーヴへと誘います。自身のラジオ番組「The Dave Koz Show」のホストとしても活躍し、スムースジャズというジャンルの発展と普及に大きく貢献しました。グラミー賞ノミネート歴も多数あり、その明るくポジティブな音楽性は、世界中のファンに愛され続けています。


現代ジャズの多様な表現者:進化し続けるソプラノサウンド

伝統を尊重しつつも、現代的なアプローチでソプラノサックスの可能性を広げ続ける、現在のジャズシーンを代表する奏者たちです。

Branford Marsalis (ブランフォード・マルサリス)

テナーサックスもメインに演奏しますが、ソプラノサックスでの卓越した演奏でも知られる現代ジャズの巨匠です。伝統的なジャズからクラシック、ポップスとの共演まで、幅広いジャンルでソプラノの美しい音色と高度なテクニックを披露しています。特に1980年代にはロックミュージシャンのスティング (Sting) のバンドメンバーとしても活躍し、代表曲「Englishman In New York (イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)」での印象的なソプラノサックスのソロは世界中で愛されました。ジャズの枠を超えた活動でその名を広め、コルトレーン以降の現代ソプラノサックスの代表格の一人として、多くの作品でその魅力を発揮しています。

James Carter (ジェームス・カーター)

テナー、バリトン、ソプラノなど、あらゆる種類のサックスを驚異的なテクニックと幅広い表現力で演奏する現代ジャズのトップ奏者です。ソプラノサックスでもその超絶技巧と、ジャズのあらゆる時代(スイングからフリーまで)を横断する知識に基づいた、力強く個性的な演奏を披露します。彼のソプラノは、時にアグレッシブでありながらも繊細な一面を併せ持ち、伝統と革新を融合させたそのスタイルは、聴く者を圧倒し、現代ジャズシーンにおいて非常に重要な存在感を示しています。多才な楽器能力と深い音楽知識が特徴です。

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