なぜアドリブできない?ジャズ演奏の壁を破る!【感覚と理論を結ぶ練習法】|MUSIC HACK
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なぜアドリブできない?ジャズ演奏の壁を破る!【感覚と理論を結ぶ練習法】

ジャズアドリブができない?その原因と今日から変わる練習法

ジャズのライブで、ミュージシャンが流れに乗って即興演奏を繰り広げる姿は、多くの聴衆を魅了します。楽器を始めた人が、いつか自分もあのように自由に表現したいと憧れるのは自然なことです。しかし、実際にジャズアドリブに挑戦してみると、何を弾けば良いのか戸惑うという経験は少なくありません。

楽譜に書かれた旋律は時間をかければ再現できる。理論書を読み込み、コード進行やスケールの知識を習得する。才能あるミュージシャンのソロを繰り返し聴き、耳コピに挑戦する。これらはジャズアドリブへの取り組みとして一般的なものです。

しかし、いざアドリブをしてみると、日々の練習で形式的に覚えたフレーズを断片的に当てはめたり、合ってるかわからない音を羅列してしまう。結果として、内容の薄い演奏になったり、悪くは無くても音楽に参加している感覚がなく楽しめない、この調子でいいのか不安、という人もいるでしょう。

もしそのような状況に陥っているのであれば、それは才能の問題というよりも、練習方法における視点の欠如が原因かもしれません。

なぜジャズアドリブができないのか?【脱・知識偏重】

理論武装と機械的な練習だけでは、なぜアドリブの扉は開かないのか

音楽は本来、「音」そのもので感情や物語を語るものです。音楽理論やコードの知識は、言語における文法や単語帳に例えられます。フレーズの丸暗記は、定型的なフレーズを覚えることに近いかもしれません。しかし、文法や単語を知っているだけ、定型文を繰り返すだけで、自分の内なる世界を自由に表現する会話ができるでしょうか。

ジャズのアドリブも同様です。頭で理解した知識や指に覚え込ませたパターンだけでは、その瞬間に心の奥底から湧き上がる感情や音楽的な衝動を生きた音として紡ぎ出すことは難しいと言えます。

ジャズアドリブへの道を拓く、根本的なアプローチ

知識の鎖から解放され、「音」そのものを心の声として自由に表現するためには、「頭で考える」のではなく、「耳で聴き」、「心で感じた」音を楽器を通して表現するという、音楽教育において最も根本的な感覚を取り戻すことが重要になります。

1. 演奏する音楽の調性感を感じる

まず、演奏されている音楽全体の調性が持つ雰囲気を、理屈ではなく感覚として捉えることから始めます。メジャーであれば明るく開放的な雰囲気、マイナーであれば内省的で落ち着いた雰囲気など、それぞれの調の種類が持つ固有の響きを感じることが大切です。

スケール練習では、単に音を順番に弾くだけでなく、一つ一つの音が持つ色彩や、その調の中で果たす役割を意識的に聴き分け、心で感じてみましょう

慣れてきたら、メジャースケールの音だけでなく、ブルース特有の憂いを表現するブルーノートや、より複雑で洗練された響きを与える半音階の音も積極的に取り入れ、キーの雰囲気をより深く理解することが重要です。

2. コードの核となるコードトーンを感じる

キーの感覚が掴めてきたら、次に意識すべきはコードの骨格となるコードトーンです。例えば、Cmaj7というコードであれば、「C・E・G・B」の音がコードトーンとなります。これらの音は、そのコードの基本的なハーモニーを決定づける核となる音です。

ジャズアドリブの練習では、まずこれらのコードトーンを意識しながら自由に音を出してみます。コードが変わるごとに、そのコードの響きに耳を傾け、コードトーンを中心に旋律の線を構築していくことで、コードの文脈に自然に結びついたアドリブが可能になります。

3. 複雑なコード進行はキーという理解の道筋を通して整理する

ジャズの楽曲には、ダイアトニックコードだけでなく、多くのノンダイアトニックコードが登場します。これらのコードは楽曲に色彩感やダイナミクスを与える役割を果たしますが、理論的に分析しようとすると複雑に感じるかもしれません。

そこで役立つのがハーモニー理論の知識です。ハーモニー理論は、複雑に見えるコード進行も、それぞれのコードが一時的にどのキーに属しているのかを分析することで、よりシンプルに理解するための道標となります。

例えば、あるコードが特定のキーにおけるドミナントコードの機能を果たしていると理解できれば、その後に続くトニックコードを予測しやすくなり、より論理的なアドリブを組み立てることができます。まるで、迷路のようなコード進行も、「キー」という理解の道筋を通して捉えることで、それぞれのコードの役割や繋がりが見えてくるのです。

4. あらゆるキーを同じ感覚で演奏するための移動ド

さらに、ジャズアドリブの自由度を高めるために習得したいのが移動ドという考え方です。

固定ド(音名を絶対的なものとして捉える)に対して、移動ドでは、それぞれの音符をそのキーの中での機能的な役割として捉えます。例えば、どんなキーにおいても、主音は常に「」、属音は常に「」として認識します。

この移動ドの感覚を身につけることで、キーが変わっても音楽的な構造を常に同じ感覚で捉えることができます。Cメジャーキーの「CDE」という旋律のフレーズは、Dメジャーキーでは「DEF#」、Bbメジャーキーでは「B♭CD」となりますが、移動ドの感覚があれば、これらの音の連なりを常に「」という普遍的な動きとして理解できるのです。

もちろん、それぞれのキーにおける指の動き(運指)を習得するための系統的な訓練は不可欠ですが、移動ドの概念は、音楽的なフレーズ集や耳コピで得た知識を、キーが異なる楽曲にも柔軟に応用するための強力なツールとなります。

【まとめ】「音の対話」を楽しむジャズアドリブへ

ジャズのアドリブは、複雑な数学の方程式ではありません。それは、「音」を通して、他のミュージシャンや聴衆と心でコミュニケーションを図る、喜びと高揚感に満ちた対話です。

今回ご紹介した、キーの雰囲気を感じるコードトーンを意識する複雑なコード進行をキーという視点で整理する移動ドの感覚を身につけるといった視点を日々の練習に取り入れることで、指先だけの自動性から解放され、心の奥底から湧き上がる音を自由に表現する喜びを感じられるようになるはずです。

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