サックスに限った話ではありませんが、初心者や中級者の方が多く悩んでいることの1つとして「棒吹きに聞こえてしまう」と言うものがあります。
棒吹きになってしまうのにはもちろん理由がありますが、そもそもなぜ棒吹きになってしまうのでしょうか?
演奏に抑揚が無いと棒吹きになる
「棒吹き」と言うのは演奏の中で使いますが、話し言葉で言うとロボットのようなしゃべり方のことです。
つまり抑揚のない、ただ文字の羅列になってしまっているような演奏が「棒吹き」です。
逆に言うと抑揚がある演奏は棒吹きには聞こえません。
抑揚の基本は音の高低=メロディが担う
しゃべり言葉の時をイメージしてもらうとわかりますが、抑揚の基本は音の高低です。
ただ演奏の時は言葉の時と違って音の高低=メロディーが常に存在してるため、メロディーをただ演奏するだけでは、音の高低が抑揚として感じられず「棒吹き」に聞こえてしまいます。
つまり演奏で抑揚を感じ取ってもらうためには音の高低以外にも工夫が必要になります。
演奏の抑揚はビブラートと強弱でつける
メロディーだけでは十分な抑揚を得られないため、演奏でビブラート強弱を使って抑揚をつける必要があります。
ビブラートは細かい音程の変化
ビブラートをかけることによって細かい音程の変化をつけることができます。
いいビブラートは上下に均等で一定の周期で繰り返されます。
音の高低の深さや周期の早さ遅さは、曲のテンポや雰囲気によって変わります。
強弱はメロディーの抑揚を増幅させる
音の強弱は基本的にはメロディーの高低に合わせます。
メロディーが低いときには弱く、メロディーが高いときには強く演奏するのが一般的です。
大切なのは頭の中の歌心
ビブラートも強弱も、抑揚をつけるための手段でしかありません。
大事なのは頭の中の歌心がどれだけ豊かなものになっているかです。
歌心を豊かにするためには、いろんな曲を聴きながらどれぐらいの周期や音程でビブラートをかけているか、強弱をどのようにメロディーに沿って、または沿わないで欠けているのかを、少しずつ学んでいくのが一番です。
何か音楽を聴くときは、ビブラートや強弱がどのように変わっているかを意識しながら聞くようにすると、自分の頭の中の少しずつ成長していきます。
楽器の技術だけでなく、自分自身の音楽性もどんどん高めていきましょう。