ジャズやポップスの吹き方を研究していると、ファットリップと言うアンブシュアについての話を聞くと思います。
実際にどのような音の変化や、口の状態なのかを解説します。
ファットリップは唇を外に出す
ファットリップはシンリップとは違い、唇を口の外に出すことで、唇がクッションのようにリードに当たる唇の状態です。
外見的に唇が太って(Fat)見えるためファットリップと呼ばれます。
逆にシンリップは唇を口の中に巻き込むことで、歯の圧力が直接的にリードに伝わる唇の状態です。
外見的に唇が痩せて(Thin)見えるためシンリップと呼ばれます。
ファットリップで音に雑味が混ざり柔軟な発音が可能に
唇をファットに使うことによって、リードに対する圧力が柔軟になります。
その結果、シンリップに比べて以下のような変化が起きます。
- 音量が大きくなる
- 発音(ニュアンス)が柔軟になる
一方で、リードの振動が自由になるため、
- バリバリした雑音が混ざりやすくなる
という特徴もあります。そのため、澄んだ音が求められるクラシックや吹奏楽ではシンリップが一般的です。
ファットリップのいろいろな形がある
一口にファットリップといっても、いろいろな唇の形があります。
ここでは一般的によくある2つのファットリップの形について解説したいと思います。
一般的にファットリップの唇の状態は図のように下唇が外に出て、歯が唇に触れていない状態を指すことが多いです。
こちらはファットリップとシンリップの間のような状態のファットリップです。僕はこの唇の状態で吹いています。
下唇の先端は口の外に出ていますが、下唇の内側を少し柔らかく噛んでいる状態です。
ファットリップとシンリップどちらを選ぶべきか
ジャズやポップスをメインで吹くならファットリップ、クラシックや吹奏楽をメインで吹くならシンリップがおすすめですが、あくまで自分の出したい音や奏法を優先すべきです。
ジャズやポップスでもシンリップの人はいますし、クラシックでもファットリップを使っていけないわけではありません。
自分の理想の音に辿り着くための選択肢の一つとして、ファットリップやシンリップなどの唇の形を知り、ある程度使えるようになるといいでしょう。
たくさんのプレイヤーを聴きアンブシュアを研究することで、自分の理想の音に合う唇を選ぶようにしましょう。